第1話『最悪の出会い』
東京地検城西支部は、代議士と大手建設会社の癒着にメスを入れ、強制捜査に着手した。その日、青森地検から若手検事・久利生公平(木村拓哉)が転勤してきた。定期異動の時期でないときだけに、同支部の検事や事務官たちは「どんな奴が来るのか」と噂する。 雨宮舞子(松たか子)は自分のステップアップになるかもしれないと、自ら久利生公平の担当事務官に立候補するが、その久利生がダークスーツではなくラフな格好で初登庁し、中村美鈴(大塚寧々)、芝山豊(阿部寛)、江上達夫(勝村政信)ら検事達、末次隆之(小日向文世)、遠藤賢司(八嶋智人)ら事務官達はア然。 当然、雨宮舞子も彼が中卒、大検を受け、司法試験を受け検事になったという異色の経歴に驚く。そして彼の仕事のやり方が、あまりにも変わっているので、雨宮は刑事部部長・牛丸豊(角野卓造)に、担当を外してくれと頼むが、聞き入れてもらえない。 型破りな捜査、しかし的確な洞察力をもった久利生。事件の大小を問わず次々真実を突き止め、事件を解決していく。そんな彼を次席検事の鍋島利光(児玉清)だけは期待を寄せているようだ。久利生公平が現れたことによって、エリート意識ばかり強い支部の面々が時には反発し、時には感化されていく・・・。
第2話『帰れないふたり』
検事は悪人で、弁護士は正義の味方なのか。本当に被害者の立場に立っているのはどちらなのか。 久利生(木村拓哉)の前に、顔じゅうアザだらけの青年が拘引されてきた。青年は高井戸謙介(大柴邦彦)、21歳。謙介は友人と帰宅途中、すれ違った菓子職人にいきなり十発、顔などを殴られ、身をかわしたはずみに菓子職人は階段から落ち死亡したと「正当防衛」を主張していた。 ところが、久利生の前に座った謙介は完全黙秘。一緒にいた友人の調書は、謙介の正当防衛という主張を裏付けていた。代議士の息子でもある謙介には大物弁護士が付いていた。あまりに揃いすぎている。作為を直感した久利生は、処理しなければならない仕事を放り出し、自ら捜査を始めるのだった。 おかげで、久利生に随行する舞子(松たか子)はK1の試合を見に行けなくなり、久利生がやり残している仕事を、替わって処理するハメになった美鈴(大塚寧々)や芝山(阿部寛)、遠藤(八嶋智人)らはカンカン。 勝手な行動をとる久利生に牛丸(角野卓造)もハラハラ。
第3話『恋という名の犯罪』
行きつけのバーで、久利生(木村拓哉)は、別れ話を持ち出した女性に、男性がステーキナイフで切りつけるトラブルに巻き込まれた。翌日、久利生公平の前に被疑者として現れた男、宮川雅史(宮迫博之)は気落ちしている。久利生の取り調べに、その女、島野紗江子(森口瑤子)と結婚しようと思っていたこと、おいしい料理を作ってくれ「生まれ変わっても一緒になろうね」と言ってくれたことなどを切々と訴える。料理研究家の紗江子の周辺を調べると、過去にも結婚詐欺で、複数の男性から訴えられた過去があった。どの男も「生まれ変わっても一緒になろうね」の言葉にコロリで、金を渡していた。ピンとくる久利生だが、結婚詐欺の立件は難しい。「リングに上がる前に逃げるK1選手のよう」と舞子(松たか子)に言われてしまった久利生は、捜査を始めるが・・・・・・。
第4話『彼に教わったこと』
ストーカー殺人の容疑者が入院先の病院から逃げ出した。江上(勝村政信)と舞子(松たか子)が取り調べ中の容疑者で、腰を強打して動けない様子であり、また凶器も発見されていなかったことから、江上の判断で逮捕を見送っていたのだった。「早く逮捕しておけば」と捜査にあたる刑事たちはカンカン。検察の判断ミスとマスコミも騒ぎ出し、牛丸部長(角野卓造)は「私も責任を取らされるかもしれない」とハラハラ。ほかの検事たちは逃げた男が本当に犯人なのか、他に犯人が居るとしたら、どうやって現場から逃げたのか、捜査に乗り出す。 犯行現場はマンションの三階で、犯人がベランダから飛び降りて逃げるには高すぎる。他に逃げ場所はない。どこからか?と久利生が考えているとエンジン音が聞こえてきて、現場の部屋の真下にトラックが止まった。
第5話『二人きりの夜』
副検事を目指し勉強一本槍だと思われていた舞子(松たか子)が、美鈴(大塚寧々)の挑発にのり、つい「大人の恋愛してます。相手には奥さんがいて」と不倫宣言。「だれ?」と、舞子に思いを寄せる江上(勝村政信)はショックを受け、事務官たちは「まさか~」とびっくり。牛丸(角野卓造)は、他の検事が不倫問題で飛ばされたこともあり「責任を取らされる」とハラハラ。 その舞子が久利生(木村拓哉)と担当することになったのは、不倫の清算で、妻と愛人の三人で話しているうち、激昂した夫、矢口徹(小原雅人)が妻に包丁で切りつけた傷害事件。愛人の川原朝美(桜井幸子)も矢口が妻を切りつけたと証言していたが、矢口は「俺じゃない」と言い張っていた。 久利生と舞子は、千葉の実家に戻っている朝美に会いに行く。相手に対する気持ちが冷めたという朝美。朝美の話に納得できない久利生は、一晩泊まり、もう一度確かめたいと言い出す。
第6話『彼女の一番大切なモノ』
久利生(木村拓哉)が、通販にハマっているのを小馬鹿にしていた舞子(松たか子)が、テレビを見てある通販商品を買ってしまう。誰にも分からないように内緒で。ところがクラブで、それを落としてしまう。その店が賭博容疑で摘発される。 牛丸(角野卓造)は、摘発された店に舞子がいたことにカンカン。一方、舞子は内緒で買った通販商品を何とか取り戻そうと必死。そんな舞子の尋常では無い様子に、他の検事たちは「何かヤバイことに?」と騒ぎ出す。ますます不安になる牛丸だった。 久利生は、非番の警察官を殺害した事件を調べていた。被疑者の太田川晋平(升毅)は、貸した金を盾に、自分の身代わりを立てるほどのしたたか者。しかも、鉄壁のアリバイを主張していた。 無くした通販商品を、誰にも知られずに探そうとする舞子の執念が、太田川のアリバイ崩しのヒントとなるのだが・・・。
第7話『君に会えてよかった』
検事に、こき使われる事務官たち。末次(小日向文世)や遠藤(八嶋智人)らも、そんな事務官生活に嫌気が差し始めていた。そこへ、一見、事務官然とした正木(金田昭夫)が転勤してきた。しかし、正木は、「一生こき使われるなんて」と、事務官に見切りをつけ、クレープ屋を開く計画を持っていた。芝山(阿部寛)や江上(勝村政信)から、厳しい仕事を申しつけられる末次や遠藤は、正木の話に共鳴。 舞子(松たか子)は、副検事の任用試験が近くあるというので「是非にも」と燃えるが、事務官経験十年以上が受験資格。牛丸(角野卓造)に頼み込み、なんとか試験を受けられるよう頼み込む。 久利生(木村拓哉)は、電車内での痴漢事件を調べていた。被疑者は、大手貿易会社の専務の綿貫(寺田農)。弁護士に教わったとおり、綿貫は容疑を否認。専務の運転手、秘書らも口裏を合わせていたが、久利生は地道な捜査で専務を追いつめていく。
第8話『過去を知る女』
久利生(木村拓哉)は立件が難しい医療過誤事件を担当することになった。病院・医師側には名うての辣腕女性弁護士・巽江里子(飯島直子)。被疑者に同行して颯爽と現れた江里子は久利生に親しげに声をかけ、二人は何やら親しそう。舞子(松たか子)ほか、芝山(阿部寛)、美鈴(大塚寧々)ら事務官、検事たちは詮索し出すのだった。 久利生は、早速、舞子と捜査を始め、事件直後、病院を辞めた准看護婦がいることを突き止める。必死に説得し、ついに医療過誤があったという証言を得て医師を起訴する。ところが第1回公判で、その准看護婦は証言を一転させた。「エッ!」。久利生の目が一瞬点になった。
第9話『俺がずっとそばにいる』
東京地検城西支部にピザ配達を装って男が侵入。発煙筒をたいて暴れ回る事件が発生した。犯人は逃げてしまったが、その際に久利生(木村拓哉)は、「カチカチ」という不審な音を耳にした。一方、舞子(松たか子)は犯人の手袋の指先に緑の塗料がついているのを目撃した。「検察を狙った法秩序への挑戦だ」と牛丸(角野卓造)は怒る。 城西支部のメンバーは自分が狙われているのではないかと疑心暗鬼。そんな時、舞子の鞄から爆発物が見つかる。久利生の機転で舞子は難を逃れるが、怯えてしまう。一人で家に帰すのは危険と、久利生は舞子を自宅に誘うのだった。不安で眠れない様子の舞子を励ます久利生。同時に彼は、今回の犯人像を推理し、ハタと思いつく。 翌朝、久利生が推測した通りに、無事犯人は捕まるが・・・。
第10話『別れの予感』
久利生公平(木村拓哉)は、人気女性テレビキャスターを襲ったとして、傷害罪で送検されてきた青年を、証拠不十分を理由に不起訴にした。この処分を不服として被害者の女性キャスター榎本由起(羽田美智子)は検察審査会に審査の申し立てた。 正しい判断と、舞子(松たか子)は、久利生をかばうが、審査会の空気は冷たい。人気キャスター絡みの事件とあってマスコミは大騒ぎ。そんな中、今度は脅迫状が女性キャスターのもとに届く。久利生が不起訴にしたことに、由起は抗議の記 者会見。その夜再び、由起は、帰宅途中襲われ、担当の刑事 矢口(梅沢富美男)は古田の犯行だと久利生への反発を強める。しかし・・・・・・。 気が気でない舞子に牛丸(角野卓造)たち。さらに久利生に逮捕歴があることが暴かれ、久利生は窮地に・・・・・・。
第11話(最終回)『最後の事件』
キャスター暴行事件で、結果的に世間を騒がした久利生(木村拓哉)に対するバッシングが高まり、地検の上層部は、久利生に異動転勤の処分をだす。しかし久利生は、そんなことは一向に気にかけず、舞子(松たか子)とともにサッカースタジアムで刺殺された警備員の事件に取り組むのだった。 被疑者は逮捕されているが完全黙秘。なぜ警備員を殺したのか話そうとしない。 国会議員や高級官僚の事件を専門にする東京地検特捜部の検事が被疑者を調べるとやってきて、久利生の捜査はなかなか進まない。 殺された警備員には、 息子の良太(今野雅人)がいた。母親はすでに亡く、一人残された良太のためにも、事件の真相を明らかにしようとする久利生。ねばり強く関係者、現場を回り、久利生と舞子は、事件当日、スタジアムに、ある政治家がいた事実をつかむ。